第023号 予算管理の上手な進め方

予算管理というと売上や粗利、経費といった項目につき予算を立てることのようにとらわれがちですが、中小企業に多く見受けられるのは、計画倒れが多い点です。たとえば、売上高目標5億円であるとか、粗利率30%確保などというものです。社員さんにいくら数字を落としこんでも成果はあがりません。肝心なのはたとえば売上高であればどうして5億円を達成するかという実行計画です。それも客数はどうするのか、客単価はどうするのかといった具体的な観点からです。
予算管理の基本的な考えは次の通りです。
予算―実績=差異
ポイントはこの差異をいかに分析し行動計画に落とし込み実践するかです。
予算管理を実践し成果を出す為に忘れてはならないことは三面等価の原則を実践するということです。義務、責任、権限です。要は与えられた数字が達成できなかったときに「別に達成できなくても給料が下がるわけでもないし、自分の責任じゃない」となってしまえば当然成り行き任せになり成果など出るはずもありません。ある意味で責任区分を明確にし言い逃れが出来ないようにしなければなりません。経営幹部は当然出した予算に対して成果責任をとらなければなりませんし、一般の社員さんは行動責任をきっちり取れるような組織にしなければならないということです。
また、権限委譲という言葉がありますがややもすると権限移譲になってしまいがちです。これは権限を委譲するということはその分報告を受けることが大切です。このへんがしっかりと出来ていないといくら予算管理をしてもうまくいきません。
差異の項目を細分化しその真因をを追究して課題を明確にします。細項目ごとに差異許容範囲を明確にしその許容範囲を超える場合は担当責任者から理由説明書を回収し徹底的に煮詰めて課題検討をします。
これらを統括してプラン→ドウ→チェック→アクションの車輪が回転しつづけなければなりません。ぜひ全社プランを部門別に細分化して月次単位で効果的な予算管理を実践してください。

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