第029号 改善計画書は中小企業にとっては担保の一部

銀行の自己資本規制(BIS)という言葉は一度はお聞きになられたと事と思います。 金融機関は自己資本比率を8%以上を確保(国内業務を行う銀行については4%以上)しなければならないというものです。自己資本比率というのは自己資本÷総資産で求められるのですが、このBISは総資産を求めるときにリスクウエートというものを乗じて計算するのが特徴です。例えば格付けランクのトップクラスの企業についてはリスクウエート20%で計算することになります。わかりやすく説明しますと例えば100万貸し付けても20貸し付けたのと同じことになるわけです。逆に格付けランクの悪い企業は150%のリスクウエートで計算されます。つまり、格付けランクの高い支払能力のある優良企業にはどんどん貸し付け、危険企業からはどんどん回収していくということになるわけです。したがって、財務状態の悪い企業は短期借入金といえども今までは借り換えで回せましたがいつまでも続く保証はどこにもありません。こんな状況ですからましてや借入調達などはかなり厳しいと言わざるを得ません。
今数多くのクライアントを訪問する中、未処理損失がかなり累計してきている企業や、債務超過の企業は少なくありません。上記のような状況下こういう財務状態の悪い企業は一切融資が受けられないかというとそうでもありません。逆に私のクライアントは100%が満額とは言わないまでも融資を受けられています。私は倒産時期をいたずらに延ばすだけの借入は一切させません。融資を受けて輸血を受けて体力を回復させその間に早急に利益体質の支払能力のある企業に立て直さなくてはなりません。したがって、借入したカネを最大限有効活用しなくてはならないということです。これを金融機関に説得納得させなければならないのです。そのツールになるのが将来3年間の見積資金繰り表だと思います。改善計画書には会社概要はもとより、経営理念や経営ビジョン、強み弱み、商品ポジショニングなどさまざまなものを盛り込みますが、やはり銀行にとっての最大の関心は返済能力つまりキャッシュフローや見積資金繰り表です。損益計算書や貸借対照表の計画が戦略や行動計画と密接にリンクしていて、そしてまたそれらが見積資金繰り表に明確に関連していることが大切です。つまり、こういう方法で経営改善を実施し、資金構造を改善し今回の借入も含めこうして返済していくと言うものを明確に立証していかなければならないのです。ですから、当然数字に敏感になり、行動計画と予算が完璧に結びついていることを理解しなければならないのです。このレベルまでもっていければ経営改善書は大きな担保の役割を担うといっても過言ではないと思います。資金繰りをベースにした計画はかなり高いものとなります。つまり生半可な改善ではおっつかないということに早く気づくことです。自覚症状が出てきてからでは遅いのです。いい時にこそ早く手を打つことをお勧めします。
7月からの業績アップ上級コースの繁栄計画書ではこのあたりを明確にしていきたいと考えております。ふるってご参加ください。

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