第030号 タクシー業界の異変に思う

今、タクシー業界に異変が起こっている。単なる業績不振に留まらす、『タクシー・ドライバーが不足』しているのである。かつては、 不況になれば、タクシードライバーの求職者は、増えるという定説があり、実際に増えていたのである。いわゆる、失業者のセーフティーネットの役割を果たしていたのである。それが、今回は、全くの逆現象が起こっているのである。その最大の要因は、収入の激減である。平成3年のピーク時には、年収430万円であったものが、 この10年間を経て、平成13年では、年収338万円に減少したのである。約100万円のダウンである。一方、企業側は、売上のダウンをカバーすべく、逆に、車両台数を増やしたのである。そのために、 ダブルで、ドライバーの不足を招いたのである。ことの発端は、4年前の規制緩和による、運賃の柔軟化で、初乗り340円のタクシーも登場し、価格競争に陥り、また、不況による、利用者の檄減 (実車率55,2%から、44,8%へ激減)も拍車をかけたのである。では、打開策は、あるのか。答えは、イエスである。 その前提として、従来の考え方を変えることである。すなわち、 それは、「事業の再定義」を行うことである。
単なる、「人を運ぶ」というタクシーの固定観念を捨てることである。「人を運ぶ」以外の「価値、サービス」を付け加えることを徹底的に考えるべきである。今、徐々に増えつつある「介護タクシー」なども、その一例である。
いずれにせよ、今一度、事業の捉え方を考え直して欲しい。頭も規制緩和すべきである。

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