第041号 目標の明確化なくして、成功なし
皆さん、「日産自動車のV字回復」については、新聞やニュース等々でご存知のことと思います。では、なぜ、そんなに短期間に復活したのでしょうか。もちろん、カルロス・ゴーン氏の手腕によるところが、大ですが、ここでは、その成功要因について、考えてみましょう。その代表的なものとして、「目標設定」の仕方が挙げられると思います。
それは、2段式目標設定です。
1 コミットメント目標(必達目標)
コミットメント目標とは、これを達成しなければ、会社の存在すら、
危うくなるぎりぎり最低ラインの目標であり、「タスク」とよばれているものです。
2 ターゲット目標(リバイバルプランの達成目標)
ターゲット目標とは、リバイバルプラン(復活計画)を達成するために必要な目標であり、 トップダウンの設定ではなく、社員や部門自ら考えた目標です。
よって、モチベーションが違うのです。
という2段階の目標を設定することで、社員全員のモチベーションを高めたことです。
以上のように、人間は、あるべき姿ややるべきやり方が明確であり、 その重要性や意味をしっかり捉えていれば、予想以上の力を発揮するのです。 どうか、皆さんも、2003年に向けて、企業の目標や個人の目標を自らの手で考え、 設定してみてください。
必ずや成功することでしょう。
皆様、激動の中、全社上げて奮闘のことと存じ上げます。
さて、1999年度も引き続き厳しい1年になりそうです。殆どのシンクタンク(30社)の予想では、 今年の経済成長率は、マイナス0,5%という見方が大勢を占めています。
政府の経済対策も後手後手という感はあるもののこれから効果が期待できるもの と思います。しかし、私たちは、他人依存だけで、この難局をくぐり抜けよう とするには、限界があります。やはり、私たちは、自らの企業理念や存立基盤 にたった経営をしっかりと実践していかない限り、この苦境を乗り越えること はできないでしょう。まさしく、99年は、「企業の原点に今一度帰る」年とい って良いでしょう。では、一体 「経営の原点」とは、何でしょうか。意外とこ の問いに対して、明確に答えられる方は、少数でしょう。いままで、私たち は、がむしゃらにやってきたというのが、実感でしょう。
現在、この厳しい経営環境下でも、高業績をしっかりとあげておられる企業も 多々あります。これら企業に共通する点のひとつとして、「経営の基本」をしっ かりと実践されている点が上げられると思います。「経営の基本」の中の基本、 それは「顧客の創造」であり、顧客視点および顧客に立脚した経営であると思います。 そういう観点から、今回のワンポイントアドバイスは、「やれば、できる」という キーワードです。
皆さんもご存知の東京・日本橋の東急百貨店が平成11年1月31日をもって、 閉店しました。理由は、業績不振による閉店です。前身である「白木屋」を 含めて336年の歴史に幕を閉じた訳ですが、そのための閉店セールの売上が、 当初予定の100億に対して、169億も売れたとのことです。 (因みに、利益もあがっています)皮肉な結果なのですが、これは、決して偶 然ではなく、そのための準備がすばらしかったのです。すなわち、今まで以上 に、顧客に喜んでもらえるために、よい商品を、より買いやすい価格(30~ 70%OFF)で、提供することを考えて思いきった仕入れをしたようです。
実用品を大量仕入れし、売り場も高級ブランド店を一部排除して、実用品の売 り場を広く取って、買いやすくしたのです。本当に不思議なことです。閉店す る前にもっと顧客の視点に立った経営、百貨店であれば、こんな事態にはなら なかったと思います。
人間、その気になれば、できるという証のような事例です。
「やれば、できる顧客視点の経営を」永遠のテーマかもしれません。
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