第073号 流動資産が本当に流動していますか?
資金繰りの相談では、まず決算書を拝見します。資金繰りが悪い原因の多くは、流動資産の部に表れます。
流動資産の定義は「1年以内に現金化されるもの」で、その代表的な科目として「現金預金」「売掛金(完成工事未収金)」「受取手形」「商品・製品(未成工事支出金)」が挙げられます。実はこれらは仕入から販売、そして代金を回収するまでの流れの中で順次発生するもので、それぞれは密接につながっています。
仕入れてすぐに売り上げ、売り上げてすぐ代金を回収するサイクルが出来ている会社であれば、決算書に「商品」「売掛金」「売上手形」はほとんど計上されません。一方、仕入れてからそれを数ヵ月間倉庫に眠らせ、それを売り上げて売掛金に計上し、後日手形を受け取って数ヵ月後に現金回収というサイクルの会社では、それぞれの科目で流れが滞り、多くの残高が計上されます。こういった状況は、決算書を複雑にするだけではなく、在庫の保管料や、運転資金用の借入金の支払利息などを発生させ、資金繰りを圧迫します。
自社の仕入から代金回収までのサイクルを見直し、もっと早く回転させることができないかどうか、ぜひチェックしてみて下さい。
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