第075号 幼少期の記憶とコミュニケーションのパターンを見直す

今回は「コミュニケーション」と「人間関係」について考えてみたいと思います。
会話の基本は幼少期の家庭環境に左右されます。それは両親がお手本だからです。言葉は音の強弱・高低・速度・繰り返しなど複合的な要素を持っています。私たちは、生後すぐから周りの環境に興味の目を向けます。特に、つかず離れず見守りながら私たちを育ててくれる母親に対しての期待の大きさは計り知れません。
人生早期において、無邪気で純粋なだけの私たちは、母の言葉の意味はわかりません。しかし「声・ジェスチャー・態度」とともに、「表情」が一番気になるところです。理由は無力で絶対依存の私たちは、自分の命をお母さんに託しているからです。自分の立場が安心できる状態(肯定的)か、そうでないか(否定的)を本能的な感覚・知覚で見分け聞き分けていきます。 やがて周りの影響を受けながら、4歳~6歳くらいになると思い出の記憶(エピソード記憶)とともに初期の経験記憶(先行記憶、プライミング記憶)が根付きます。これがその人の「基本的な反応パターン」になります。現在の何気ない「会話の口癖」が前向き(挑戦的)であるか、後ろ向き(逃避的)であるかを確認してみましょう。
◆コミュニケション・スタイルに関係する要素
暗黙知(=勘・直観・経験による認識など、言葉や図式で表現することができない知識)が総合的に記憶されて、何かのときに思わず知らず言葉になってしまう。
◆記憶のメカニズム
記銘=情報をどのように取り込んだか(憶えたか)
保持=情報の保存(無意識的・意識的・・価値観)
想起=保存情報の取り出し(再生)方のパターン(肯定・否定)
私たちの持つ会話の口癖は良くも悪くも「人生を左右」します。言葉はその人が選択した行動様式や人格を表現するものであり、交渉事も言葉一つでうまくいくこともあれば、損をすることもあります。言葉に「戒め」と「責任」を持つ心構えが成果につながることを自覚・認識して、客観的に自己を「内観」し「洞察」してみましょう。

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