第093号 経費予算は具体的に
利益計画を立てる際、経費予算を組んで参りますが、意外に安易に立てられる企業が多いように感じます。
先般もクライアント先に赴き、経費予算の立て方について元帳を配り指導させて頂き、来月までに店舗ごとの経費予算を立てておくよう課題を出しました。
翌月、各店長から次のような予算書が上がってきました。
A店長は、どの経費も月々平均30万円使っているので、頑張って25万円までに抑える、といった具合です。
一方、B店長は、配られた元帳をもとに、勘定科目ごとに次のような予算を提出されました。
① 新聞図書費は、業界新聞だけにし、その他2社の年間購読料8千円削減。
② 地代家賃を大家さんと値下げ交渉。月5千円削減。
③ 旅費交通費は、できるだけバスや電車を利用し、タクシーは急ぎ以外控えることにより、月8千円削減。
④ 接待交際費は、お歳暮やお中元を無くす代わりに、手書きで年賀はがきや暑中見舞いを出すことにより、年間20万円削減。
⑤ 広告宣伝費は、自社でチラシを作成することにより、年間12万円削減。
などです。
どちらが経費削減や、経費の有効活用ができるか一目瞭然です。A店長の予算は、元帳を見なくても立てることができますし、恐らくこの一年経費に対して目を向けることはないでしょう。一方、B店長の予算管理は、行動計画が具体的です。あとは進捗管理をしっかりできれば、目に見えて効果が出てくる筈です。
面倒臭くてもしっかり元帳を見て知恵を絞ることが大切です。利益を残すためには売上を上げることも大切ですが、売上を上げるためには、顧客のニーズ、ウオンツに応えていかなければなりません。売上を100万円上げても粗利益率が40%とすると利益は60万円しか残りませんが、経費を100万円削減すればそのまま100万円が利益として残ります。また、経費は自社努力で削減できるため、プライオリティ(優先順位)は一番にもってこなければなりません。また、経費を削減すれば損益分岐点も下がります。まず、自社でできることを徹底的にしてから、仕入を見直し粗利益率を改善し、売上を上げることに注力しましょう。なお、経費予算は総務部が全部を決めるのではなく、その経費をマネジメントする人、もしくは実際に使っている人に決めさせると、様々な削減案が出てくるでしょう。面倒臭くても是非実践に移して下さい。
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