第096号 資金繰りの八原則
今回は資金繰りの八原則についてです。資金繰りを良くするためには、次の八つの原則を遵守しなければなりません。資金繰りにお困りの方は、自社がこの八原則のどこに問題があるかをチェックして、早急に手を打って頂きたいと思います。
1.利益の原則
損益計算書上でしっかりと利益を出さなければならないという原則です。利益はキャッシュフローのもっとも大切な源泉です。赤字を3期続けると会社が潰れるといいますが、これはこの原則の逆で、損失を出せば必ず資金がなくなるということです。
2.非資金費用の原則
非資金費用とは、費用として損益計算書に載りますが、資金支出を伴わないもので、減価償却費や、各引当金繰入などがこれにあたります。この非資金費用が多い会社は利益が出てなくても資金はあるということになります。
3.売掛債権の原則
受取手形や売掛金のことを売掛債権と呼びます。これらの回収が伸びれば伸びるほど資金回収が遅れ、運転資金に窮するということになります。
4.棚卸資産の原則
棚卸資産とは、商品や製品、仕掛品、原材料(工事業の場合は未成工事支出金、原材料、貯蔵品など)をいいます。これらが販売不振などで増加してくると、在庫として資金が拘束されるため、運転資金に窮するということになります。
5.買掛債務の原則
支払手形や買掛金のことを買掛債務といいます。これらは、支払いを延ばすと資金繰りは楽になりますが、安易に支払いを延ばすと支払先の信用を失い、取引きできなくなる危険性があります。仕入れ担当者は、締日を上手く活用し、支払いを分けるなどの配慮も必要です。
6.資産の原則
これは、投資効果の上がらない固定資産を多く抱えないという原則です。キャッシュを生まない固定資産は、仮に“タダ”でも買ってはいけないということです。
7.負債の原則
負債というと借入れをイメージされると思いますが、確かに借入れをすれば資金は増えますが、金利の負担もしなければならない上に返済しなければなりません。
ここでは前受金(内金)が受け取れるのであれば、できるだけ早く受け取れば資金繰りは楽になるということです。
8.純資産の原則
最後は、純資産の顔かたちを良くしましょうという原則です。顔かたちを良くするということは、資本金より内部留保を如何に多くしていくかということです。資本金ばかりで内部留保の無い会社はいけません。多少運転資金が足りなくても、自己資金を取り崩せる余力を持つということでしょう。
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