第099号 不況期を乗り切るための損益施策

100年に一度の不況と世間では騒がれていますが、お金は意外としっかり持たれている方が多いというのも実感します。マスコミ等に刺激され、消費が著しく冷え込んでいるだけで、いかにお金の回転を良くしていくかを考えていかなければならないと思います。そのためには自らが消費するということも必要になってきます。
さて、不況期はこのように消費が冷え込み、お客様の財布の紐が固くなっており、顧客のニーズ(顕在的欲求)やウオンツ(潜在的欲求)を相当満たさなければ、売上を上げていくことは難しいと思われます。現実に売上高が昨対50%ダウン、60%ダウンなどよく耳にします。
こういう時の損益施策は、売上高に優先順位を持ってきてもなかなか上手くいきません。だからと言って、お客様を追うなと言っているのではありません。しっかりとマーケティングをし、全員営業で取り組んでいくことはいつの時代も大切です。しかし、この環境時に、相手(顧客)のあるもの(売上高)に優先順位をおくのではなく、まず自らが、相手なく実施できる固定費について、今一度徹底したメスを入れるべきなのです。
固定費の大半は人件費です。固定費を削減するとなると安易に人件費の削減を考えがちになります。しかしそこに手をつける前に、他にするべきことがあります。 まずは全ての部門の生産性を再度見直し、社員さんを含めて、改善や削減できる箇所はないかを全員で話し合うことが大切です。ときには、不採算部門の縮小や閉鎖も必要になります。有効な販売促進費や人材育成費などのプロフィットコストについては、効果的に活用して、ロスコストは徹底的に排除するように努めましょう。
次にトップの責任として、自らの人件費の削減になります。それでも追い付かない場合は、社員さんに頭を下げ、全体の人件費を見直すこともあるでしょう。しかしその時には、社員さん達の不安を防ぐためにも、業績が回復したあかつきにはどのように還元していくのか、しっかりとしたあるべき姿を示し伝えていくことが大切です。
企業の存続がかかっているため、きれいごとでは済まされない現状もあると思いますが、最終的な手段を行う前に、やるべきことがたくさんあります。
こうした取組みこそが、本当の意味の「企業の再構築」といえます。

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