第103号 金融機関にはまめに顔を出すようにしよう
ここ数年、金融機関の統合が進み、昔に比べると金融機関の方から訪問してくれることがめっきり減ってしまいました。これは、行員さんの業務量が著しく増えたことなどが考えられます。年に1度、決算が固まると決算書を提出しておしまいという企業も多いのではないでしょうか?
金融機関とのコミュニケーションの機会が減ってきている訳ですから、向こうから訪問をしてくれるのを待っていては、大変な時しか来ないという印象を持たれてしまい、皆さんの経営に対する姿勢を疑われてしまいます。
私は、クライアント企業にはすべて、「最低でも月に1回は取引金融機関に顔を出しなさい!」と伝えています。
今どういう計画に基づいて動いており、その進捗状況がどうであるのかを明確に伝えておかなければなりません。
資産価値が下落する一方で、融資を受ける為の担保力も低下してきている訳ですから、追加で差し入れることも非常に困難です。こういう時にこの担保力を補うのが経営計画書になります。過去の結果は覆すことは出来ませんが、将来は自らの力で築きあげることが可能です。
日頃、資金繰りでお困りの企業の対応をさせて頂くことがありますが、大変になればなるほど、目先の売上ばかりを追うようになるものです。ここには、利益やキャッシュフローの観念はなく、原価割れの工事であろうが何であろうがすべてやってしまうのです。その場しのぎの資金繰りで延命しているだけに過ぎません。資金繰りが大変になればなるほど逆に、中長期的な視点を持ち、企業経営に取り組んでいくことが大切になります。
ビジネススクールの中期経営計画書や業績アップ上級コースでの繁栄計画書は中長期的な視点での計画です。これらを作成され、月に最低1回は金融機関に対してプレゼンテーションをされている経営者の方々は、評価も高く、金利1%以下で融資を受けられているところもたくさんあります。
世間話ばかりでは忙しい金融機関に煙たがられますが、それでも全く顔を出さない経営者よりはましです。
日頃から、自社だけではなく、社会や経済の動向にもしっかりと精通しておかないと、コミュニケーションが取れません。月刊「理念と経営」などもツールにしながら経営話題を豊富に持っておくことが大切です。
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