第107号 成果主義を成功させるための4つのポイント
職能資格制度を引き継ぎ、1990年代より導入された成果主義は、導入希望をしている企業が多くある反面、上手く運用できている企業は少ないのが現状です。成果主義は、年功序列型であった職能資格制度のデメリットを補い、高業績者の不満の解消や、人件費コントロールを目的に導入されました。しかし、高業績者は逆に成果を出し続けなければならないストレスを感じ、潰れてしまうこともあります。成果主義を成功させるためには、次の4つのポイントを満たしていることが必要不可欠です。
(1)会社が社員さんの成長を支援している
評価は年2回という所が多いと思いますが、評価時期だけ評価基準書を出して来て、点数をつけていく企業がほとんどです。これでは結果だけで、プロセスでの支援が何もできていません。評価の最大の目的は人材育成です。つまり、評価の時期が大切なのではなく、それまでの半年間が重要なのです。評価の時、被評価者が半年前より成長できたと実感できるような支援を、評価者としていかに関わってこれたかがポイントになるのです。
(2)適材適所が実現できている
社員さん一人一人の強みを把握し、強みを発揮できる仕事にシフトしてあげることが大切です。強みを発揮できない場所で成果を求めるのは酷と言うものです。
(3)納得のいく評価が行われている
私は評価基準書を作成する場合、必ず次の要件を満たしているかを確認します。それは、
(1)達成基準が明確になっていること
(2)成果の証が具体的であること(これは、何も数字によるものだけではなく、データ、資料、メモ、アンケート、写真、テスト、資格、立会い、現物、同席同行など様々なものがあります)
(3)教育の仕方が明確になっていること、
です。なぜそのような評点になるのか説明できないものは、評価基準にすべきではありません。
(4)会社が今後も伸び続けると感じられること
会社が赤字続きでは、成果主義を取り入れてもモチベーションは高まりません。評価をする以上は、頑張った人が報われる制度になっていなければなりません。業績が良く、給与原資が潤沢に取れてこそ、成果主義も動機付けの一因になるのです。
このように、成果主義をただ単に人件費コントロールのためだけでなく、人材開発のツールとして有効に活用していきたいものです。
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