第110 号 アイデンティティーの成り立ち「第7回」
前回では、TA(交流分析)における3つの「自我状態」をお伝えしました。大別すると感情・行動・思考の順に発達していきますが、最終的に6つの自我状態に分けられます。自我は個別に発達するというものではなく、同時進行の中で少しずつ確立されていきます。深層心理学・児童心理学・認知心理学・発達心理学・など、個人の持つ人間的豊かさや・実行力など、人格の成長過程をあつかった心理学はたくさんありますが、TAはその一分野で、臨床心理学といわれます。現在では大脳生理学でも成り立ちが裏付けされてきました。
日本創造教育研究所ではSA研修・SC研修・PSV研修など三段階の「可能思考」研修や、企業の業績に関する能力を伸ばす「職能研修」を通して実際に体験して頂いておりますが、多種多様の心理学や実践的な行動科学を検証した上で「社会人としての人格や日常の心構え、仕事の仕方などの見直しを図る」目的でシステム化されています。
私たちが生まれたとき、心は正に「無心」と言えます。しかし、誕生したその時から多様な刺激を受けながら、「本能」エネルギーの働きで逞しく反応を起こします。快適な刺激、不快な刺激など、どんどん入ってきます。生後間もない私たちですが、本能は自分が生きていく上において、都合が良いものか悪いものかを瞬間に嗅ぎわけます。その働きが感情であり喜・怒・哀・楽を感じたままに、肯定するか・否定するか無意識のうちに脳裏に入力・記憶していきます。
今回は基本的な喜怒哀楽を表現する感情についてお話をさせて頂きましょう。
◆FC(フリーチャイルド)・・これは周りの環境に自然に溶け込んでいくように、あるがままの自分を表現する、喜びの本能回路に入力されます。 活用される心の機能としては次のような事柄の要素が見受けられます。
★長所・・自由な表現力・天真爛漫で無邪気な表現・明るく楽観的な表現・好奇心が旺盛・直観的アイデア・発想力が豊か・エネルギーが高く開放的・元気。
★短所・・わがままで奔放・自己中心的な発想や行動・衝動的・周りに配慮しない・単純に捉える・あきっぽい傾向・持続力がない・嫌なことに協調しない。
心の成長の第一歩がFCの機能です。何事に対しても恐れることなくリラックスできる機能であり、何事にも肯定的で前向きに対処しようとします。基本的な自己信頼感であり、両親の愛情と周りの環境や自然からの心のプレゼントと言えます。人生における大きな精神の宝物と言える機能ですが、プラス・マイナスの二面性があり、他の自我状態とのバランスが問われることになります。
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