第113号 「行動経済学」に学ぶ
皆様、お元気ですか。まだまだ経済は上向きませんが、本当に経済は、私達の努力で改善できないのでしょうか。今回は、最近注目されている「行動経済学」に関することを取り上げてみたいと思います。この言葉を最近耳にしたことはありませんか。きっかけは、アメリカのプリンストン大学のダニエル・カーネマン教授と故エイモス・トヴァスキーが行なった心理学の研究が、2002年にノーベル経済学賞を受賞したことがきっかけとなり、一躍注目を集めたのです。これまでの経済学は、人間の経済行動は合理的な判断に基づくものとされていたのです。しかし、バブル景気の破綻などをみると、人間は合理的に考え行動しているようには見えないのです。それに対して「行動経済学」は、人間の判断は全て感情に基づくものであるから、行動はその感情に左右されてしまい、必ずしも合理的な行動を取るわけではない、という考え方です。
たとえば、プロ野球で阪神対巨人戦のS席のチケットが、通常は6000円とします。それが、金券ショップでは、一枚1万円や2万円でも流通しているのです。なぜでしょうか。もし人間が合理的に判断すれば、まず買いません。しかし、大の阪神ファン・巨人ファンなら、どうしてもその野球が見たいという人間心理が働くと、たとえ2倍、3倍の価格でも購入するという行動にでるのです。ジーンズでも同じです。最近では、わざわざ穴のあいたジーンズや表面が削れたジーンズを値段が高くても購入している若者がいるのです。私などは、もう少しでその若者に「穴があいていますよ」と声を掛けそうになった経験があります。これはファッションであり、こだわりであり、自己表現なのですね。皆様、如何でしょうか。人間は、一方ではお金にシビアですが、一方では非合理的な行動をとる生き物なのです。とするならば、事業や商売の中では、お客様も人間、従業員も人間、全て人間ですね。
どうかこの心理をしっかりと学び活かしていきましょう。勘定対感情どちらに軍配が上がるでしょうか・・・・。
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