第124号 今こそ人材育成を強化しよう
東日本大震災において被災されました多くの方々に、心よりお見舞い申し上げます。私も、震災以降売上が著しくダウンしてどうしたら良いかわからないといった経営相談を、数多く受けています。
売上が上がらないので固定費が賄えず、リストラを始めとした人件費削減に真っ先に取り掛かられている企業があります。しかしこれは、すべて得策とは言えません。どうしても仕事がなく休業せざるを得ない場合は、休業助成金制度(詳しくは社会保険労務士やハローワークにお問い合わせ下さい)を利用し人件費の補てんをすることです。リストラをしてしまうと、売上回復時の体力が会社にないため、機会損失が多発することになります。それだけではなく、リストラをすることにより残った社員のモチベーションが下がり、生産性まで落ちてしまいます。こういう時こそ、社員一人ひとりのスキルを向上させ、活力のある会社にしていかなければなりません。
さて、会社に評価制度を導入されている皆さんは、今一度その運用が適正に行われているかを見直して下さい。運用が上手くいっていない会社のほとんどが、評価時期にだけ評価表を出してきて点数をつけておしまいという状況です。評価の目的は人材育成です。評価をする度に、被評価者の評価が上がってきて成長を感じられるものにしていかなければなりません。そのためには評価の時期よりも、むしろそれまでの評価期間の被評価者への関わりが重要になります。
例えば、商品知識を身につけさせたい場合、毎月課題を明確に伝え、しっかりと理解しているか確認をしてあげることが大切です。そして、この行為を半年続ければ、自ずと商品知識は身につき評価も及第点が取れるようになります。
私は、人事システムのコンサルに入っている企業様には、すべて個人毎の教育カリキュラムを明確にしていただいています。半年後に身につけるスキルは何か?そしてそれをいつまでに、誰が、どのように関わり身につけるのか?などを明確にして、それに基づき評価者と面談していきます。
こうすることにより、着実に各人のスキルが高まっていき、会社の業績向上に繋がっていくのです。コストをかけず、すぐにできることですので、ぜひ取り組んでください。
最後に、震災の影響を受けられた企業様、本当に大変だとは思いますが、逆にこういう時期にしかできないこともたくさんあります。ぜひ取引先などに、取引条件の変更などを申し入れるとともに、人脈を活用していただきたいと思います。また、日本創造教育研究所様など、有能なブレインをどんどん活用して、1日も早く業績回復されることを心よりお祈り申し上げます。
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