第125号 企業の目的と使命を定義するとき、出発点はひとつしかない。それは顧客である。
皆さんの中でも、最近書店で売上1位を記録している「もし高校野球の女子マネージャーがドラッガーの『マネジメント』を読んだら」岩崎夏海著を読まれた方も多いと思います。
僕自身はあの女子高生のアニメ表紙に抵抗を感じ、なかなか購入する気にならなかったのですが、たまたまiPhone アプリで暇つぶしに購入したところ、思わず引き込まれ、不覚にも移動中の電車の中で3回も泣いてしまいました・・・。
とある高校野球女子マネージャーが、マネージャーのことを学ぼうと本屋で勘違いしてP.F.ドラッガー著の「マネジメント」を購入したところから物語が始まり、その本に基づいて、ダメダメ野球部を見事甲子園出場まで成長させる感動のストーリーです。
最初に高校野球部の定義について考える際に引用されたマネジメントの一節に「企業の目的と使命を定義するとき、出発点はひとつでしかない。顧客である。
顧客によって事業は定義される。(中略)したがって、「われわれの事業は何か」との問いは、企業を外部すなわち顧客と市場の観点から見て、初めて答えることができる。」とあります。
高校野球部女子マネージャーの”みなみ”は、高校野球部の定義を考えるために、まず高校野球の顧客は誰かを考えます。
もちろん高校野球は営利活動をしているわけではないので、一般企業でいう顧客という存在はいないのかもしれません。
ただ少なくとも、高校野球をやるためにお金を出してくれる人がいることに気づいたみなみ達は、学費を支払ってくれている「親」や野球部の活動にかかわっている「先生」や「学校」、そして学校にお金を出してくれている「東京都」、それに税金を支払っている「東京都民」、甲子園大会を運営している「高校野球連盟」や全国の「高校野球ファン」も顧客という考えにたどりつきます。
もちろん「野球部員」も大切な顧客であることに気づくのです。
そして、その顧客が高校野球に求めているのが何かを考えた際に閃いた答えが『感動』だったのです。
すなわち高校野球部のやるべきことは、「顧客に感動を与えること」であり、野球部の定義は、「顧客に感動を与えるための組織」という素晴らしい結論に至りました。
このことは事業目的を考える際に、その出発点が唯一『顧客』であり、顧客が求めているものを提供することが事業目的であるということを再認識させられました。
顧客を出発点に考えてみて、我が社の事業の目的・定義は何でしょうか?
お問い合わせ
ご相談はお気軽にご連絡ください。 メールは24時間365日受付しております。