第128号 就業規則の目的から気づく人材育成の大切さ
今回は就業規則の作成目的と、そこから考えなければならない人材育成について書いてみたいと思います。
就業規則というのは皆さんご存知のように、常時10人以上の労働者(労働者ですからパートさんやアルバイトさんが10名でも該当します)がいる場合、事業場毎(要は会社毎に)に作成して労働基準局に届出しなければならないものです。強制的に作らなければならないと言ってしまえばそれまでですが、職場はいろんな価値観を持った人の集まりです。一定のルールを決め、それを守ることにより、仕事の効率を上げようとするのが真の目的です。
就業規則には最低でも始業・終業の時刻、休憩時間、休日、休暇、賃金の決定、計算および支払いの方法、賃金の締め切りおよび支払い時期、昇給や退職に関する事項は記載しなければならないことになっています。人事システムを構築される企業様は、同時にこの就業規則をよく見直しされますが、作成してもほとんど社員さんには告知されず機能していないことが多いのが現実です。
それは、労使(つまり会社と社員さん)がお互いの主張ばかりを通し譲らない企業さんが多いからです。業績の良い会社と悪い会社の違いは沢山ありますが、業績の悪い会社の社員さんは給料の高さや休日の多さに、働く動機付けを求める方が多い傾向にあります。逆に業績の良い会社の社員さんは仕事の目標達成や権限委譲されることなどに、働く動機付けを求めます。こう考えてみると、経営理念がしっかりしていて全社員が価値観を共有することができており、しかもセルフマネジメントできる社員さんばかりいれば、その目的からすると就業規則など必要ないのかもしれません。
これからの中小企業は、特にセルフマネジメントが出来る人材を一人でも多く育てていく必要があります。つまり、自らが目的達成のための計画が立てられ、強みを発揮し実践でき、進捗管理を行うことによりプロセス管理をし、より良き方向に軌道修正ができるようになるということです。言いかえれば、一人でPDCAサイクルを回せるようになるということになります。
そのためには、目標管理制度を導入し訓練していくとともに、経営知識を月刊『理念と経営』社内勉強会などを通し、身に付けていくことが必要不可欠になります。また、マネジメント養成6か月コースにおいて学ばれることもお勧め致します。
活性化した組織づくりを目指しましょう。
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