第142号 競争相手はお客様・・?

前回に、ピーター・F・ドラッカーの書籍から以下の文章を引用し、我が社の存在理由・使命についてお考えいただきました。
果たして皆さん、自社の存在理由・使命は明確になりましたでしょうか?
「第一に、環境としての市場である。顧客や競争相手の価値観と行動である。第二に、自らの目的、使命である。第三が、自らの強みと弱みである。これらが、私が事業の定義と呼ぶものを構成する。」
今回は「第一に、環境としての市場である。顧客や競争相手の価値観と行動である。」について考えていきましょう。
我々が事業に取り組む場合は当然のことなのですが、対象とする顧客が存在するわけですし、また競争相手も存在するわけです。
その環境に常に気をつけて、変化に対応して行かないと、自社が淘汰されてしまいます。
このライバルや顧客のニーズを分析することはとても大切なことなのですが、意外に自社の業務に集中するあまり、外部の環境分析まで手がまわっていない会社も多いのではないでしょうか?
ライバル会社や顧客のニーズを分析する上で、そのポイントを明確にするとわかりやすいですし、その優先順位の変化により顧客のニーズ変化を読み取る事が可能になります。
そのポイントとしては「Q=品質 P=価格 S=サービス」が上げられます。
例えば牛丼業界で考えてみると、数十年前から、
業界のトップ企業は吉野家でした。その時のQPSの優先順位は1位「Q品質 うまい」2位「Sサービス 早い」そして3位が「P価格 安い」でした。
だからこそ数年前に狂牛病問題が起きた時も「うまい」にこだわる吉野家は、アメリカ牛にこだわり、輸入再開できるまで豚丼やうな丼等で必死に耐えたわけです。
そして、顧客のニーズもその時までは吉野家のQPSと合致していたからこそ、吉野家は業界トップであり続けることができたのです。
そこにライバル会社すき家が登場することで、顧客のニーズの順位が変わります。
1位が「P価格 安い」2位 「Q 品質 うまい」3位が「S サービス 早い」というように変化し、それに合わせてすき家が業界トップに躍り出て、吉野家が首位から陥落します。
慌てた吉野家も期間限定で270円牛丼を販売しましたが,残念ながらお客様を取り戻すまでの成果は上がっていません。
余談ですが、数日前に吉野家が普通盛り250円の牛丼店「築地吉野家 極(きわみ)」を展開することを発表しましたが、果たして成果はあがるでしょうか?
このようにお客様のQPSの優先順位やライバル会社のQPSの優先順位、そして自社のQPSの優先順位について常に分析をおこない、外部環境の変化に対応して行くことはとても大切なことなのです。
あなたの会社のQPSの優先順位は顧客の優先順位と合致していますか?

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