第147号 技術革新にアンテナを張れ!!

第142号の記事で、ピーター・F・ドラッカー著「チェンジリーダーの条件」から以下の文章を引用し、同業他社との競合分析や、QPS分析についてお考えいただきました。
『第一に、環境としての市場である。顧客や競争相手の価値観と行動である。第二に、自らの目的、使命である。第三が、自らの強みと弱みである。これらが、私が事業の定義と呼ぶものを構成する。』
貴社においても、顧客ニーズの変化に対応していくことがいかに大切かご理解いただけたと思います。今回も第142号に引き続き、『第一に、環境としての市場である。顧客や競争相手の価値観と行動である。』の箇所について考えていきましょう。
我々が顧客のニーズの変化と同じように注意をしていかなければならないのが、「技術革新」による市場の変化です。ある「技術革新」が起こることにより、その周辺の市場が様変わりしてしまい、その変化により新しく創造される市場もあれば、淘汰されていく市場も出てくるということです。
例えば私が学生の頃、つまり30年前ですが、音楽を聴くと言えばレコード盤ということが当たり前でした。それが、25年程前にレーザー光という「技術革新」があり、コンパクトディスク(CD)が発売されました。
レコード盤に比べて、ノイズが少なく音質の良いCDを多くのお客様が求めたのは当然の流れなのですが、そのことにより淘汰されていった業界があります。それはどの業界でしょうか?
レコード屋さんはCDショップに業態変化をさせ、かろうじて生き延びましたが、レコード針製造会社は需要が激減し淘汰されてしまったのです。
このように、「技術革新」が起こると、顧客のニーズの変化により業界自体が淘汰されてしまうことも多々起こり得るのです。
ちなみに、ご存知のとおり、最近はMP3に代表されるダウンロード(配信)型音楽が主流になってきており、昨年、世界的なCD販売会社が事業整理を行いました。もはやCD業界も淘汰の流れの中に水没する時期になっているのです。
皆さんの業界においても、今後様々な「技術革新」が起こっていくことと思います。その意味でも、常に「技術革新」にアンテナを張り、市場の変化に敏感になっていただきたいと思います。

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