第148号 B-1グランプリに学ぶ

皆様、「B-1グランプリ」という名前を聞いたことはありませんか。特に最近では、「富士宮やきそば」、「厚木シロコロ・ホルモン」等、B級グルメとしての認知の方が高いかもしれません。しかし、主催者側はこうおっしゃっています。「B-1グランプリは、日本全国の自慢の料理が提供されます。しかし料理を売ること自体を目的としているのではく、料理を通じて『地域をPRする』ことで、一人でも多くのお客さんに現地に足を運んでもらおうという、地域活性化を目的とした『まちおこしイベント』なのです」と。
B-1グランプリは、一般社団法人B級ご当地グルメでまちおこし団体連絡協議会(通称:愛Bリーグ)と、開催地の地元実行委員会との共同主催で、年に1回開催されています。開催地の決定は立候補制で、愛Bリーグの本部加盟団体(正会員)のみが誘致する権利を有し、愛Bリーグの理念を理解していると認められる地域でしか開催することはできません。
また、B-1グランプリに出展しているのは、飲食店舗およびその組合や企業ではありません。営利目的で活動する個人や法人には出展する権利がなく、出展しているのは(社)愛Bリーグ加盟の食の「まちおこし団体」なのです。
ちなみにB-1グランプリ第1回大会は青森県八戸市で行われ、主催も愛Bリーグではなく、八戸せんべい汁研究所だったそうです。八戸の新幹線開業をきっかけに、土産物を開発する目的で八戸せんべい汁のPRプロジェクトが始まり、その取り組みの先に、B-1グランプリの誕生があったのです。
八戸せんべい汁研究所の事務局長である木村聡氏によると、「プロの参加ではなく、素人の団体であり、地域の良さや可能性をいかに見出し、まちおこしにつなげていくかという目的・大義が大切。そして、まち全体でいかに楽しく、継続していくかがさらに重要」とのことでした。 2012年第7回大会で、八戸せんべい汁研究所は念願のゴールドグランプリを獲得しました。ご当地グルメの味を含めた、まちおこし活動の日本一に輝いたのです。
皆様、如何でしょうか。目的や大義が明確であれば、必ずや逆境や制約条件はクリアできるということです。そのためにも、モノ発想・製品発想ではなく、コト・システム(お役立ちの全体像)の発想が必要なのです。さらに、発想を逆転してみてください。
「お役立ちが先、利益は後からついてくる。」

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