第149号 第七回 社会的知性の高いリーダーを目指そう

社会的知性とは「いかなる困難な状況においても、信頼関係の上に立ち、様々な環境や状況のなかで相互に支援し合い、より良い結果づくりにまい進する人間的能力」と言うことができます。私が講師を務める「幸せをつくる人間関係向上セミナー」では、自我状態を大まかに6つの記号で表し、自我の持つ機能・役割・働きなどについてお伝えしています。その要素は次のとおりです。
【CP】(クリティカル・ペアレント) -父親のような厳しい心
主に両親の価値観や、伝統・文化に対する考え方、躾(しつけ)・教育を受けるなかで、思考錯誤しながら理想的行動条件を身に付け、成長します。やがて社会的目標を定め、人間性や環境づくりに意識を向け、より良い結果をつくりだそうとする「主体性の自覚」「行動規範」「実行姿勢」などが確立されます。「社会的行動」の基本的心構えです。
「社会人として何を成すべきか、どうなければならないのか、集団における自分の立場・役割を理解し、その責任や使命・約束を果たす」など、あるべき姿を問いかける力は、幼少期に基本ができます。
【NP】(ナーチャル・ペアレント) -母親のようなやさしい心
お互いの縁を大切に思い、他者の幸せな人生づくりにどれだけ貢献できるかを考え、配慮を忘れず、相手の思いに共感し、受け入れます。できる限りの親切を施し、平等に関わり、調和を図り、支持、支援、励まし、元気づけ、助け合う「人間関係行動」の基本的心構えです。
【A】(アダルト) -ものごとを冷静に判断する大人の心
比較・分析・検討しながら原因を探し、より正しいと思われる方法を導き出し、自己を統制し、修正しながら改善改革の提案を行う、知恵とも言われる思考的心構えです。
体験や経験を重ねるなかで、豊富な知識を獲得しながら「今ここ」現状における情報に基づき、適切に考え処理していく能力が育ちます。物事の進捗や結果を冷静に観察し、客観的に評価します。
【FC】(フリー・チャイルド) -無邪気で奔放な子どもの心
直観力に富み、創造性が高く、快活で前向きな感覚的心構えです。
好奇心・探求心・冒険心に満ちて、自己の欲求を満たすためには既存の考え方や行動にとらわれず、ときに日常とかけ離れた発想を試みます。
【AC】(アダプティド・チャイルド) -「いい子」でありたいと思う従順な子どもの心
謙虚な姿勢、誠実な忍耐心、丁寧な協調姿勢、感謝を表現する心構えです。
人格形成は両親の躾(しつけ)・教育が原点です。「何でもできる、やれる」という感覚(万能感といいます)は、子どもの持つ心の特権です。故に大人から見れば、子どもは至って「わがままで自己中心的」です。このようななかで、親は自分の社会的な価値観に基づき、少しずつ修正を重ね、子どもに受容させ順応させます。
【RC】(リベリアス・チャイルド) -反抗する子どもの心
物事に勇気をもって臨み、一歩進み出る、人生のアクセル役を果たす心構えです。
人生は困難の連続。自分の欲求や夢・願望・将来のビジョン・目標を叶える過程でも多事多難が続きます。そのような時にもくじけず発奮・チャレンジし、現状を打破していく強い心が試されます。
※前回までの「社会的知性の高いリーダーを目指そう」はこちら
第一回122号、第二回127号、第三回132号、第四回135号、第五回138号、第六回 144号

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