第154号 金融機関の格付けを上げる2大ポイント

今年もあと1ヶ月余りとなり、なんとなく忙しい日々が続いておりますが、来年度は消費増税もあり、益々企業経営は厳しい状況になると予想されます。今回は、金融機関の格付けを上げ、信用を高め、良好な取引を行えるようにするための2大ポイントについて述べさせて頂きます。
金融機関は優良な融資先を探していますが、なかなか見つからず会計事務所などの紹介などに頼る部分も出てきています。財務がしっかりしており返済能力があることを確認し易いからと言うこともあります。
まずは損益計算書ですが、会社全体の経常利益を高めることは大切ですが、それ以上に営業利益を高めることが重要になります。営業利益の下の営業外収益や営業外費用は、金融機関から提供を受けている受取利息や支払利息ですから、真の会社の実力は営業利益で示さなければなりません。営業利益がマイナスで、保険の積立を解約し返戻金を雑収入に計上し経常利益を黒字にすることが良くありますが、これは来期に繋がらず会社の実力とは言えません。
金融機関はキャッシュフローの計算を営業利益で行うため、いくら経常利益をプラスにしても各格付けの向上は見込めません。債務償還年数についても、借入金を営業利益+減価償却費で除して何年で返済できる能力があるかを見られますし、金利の負担能力を見るインタレストカバレッジレシオについても、営業利益に営業外収益を加えたものを支払利息で除して求めます。これらは、格付けの配点も非常に多いため、営業利益の重要性も自ずとおわかり頂けると思います。
次に貸借対照表ですが、ここで重要なポイントは純資産の部になります。自己資本とも呼ばれる部分で資本金や利益剰余金で構成されます。増資をするか、内部留保をしっかりすることが大切になります。
純資産の部にかかる格付けはそのものの実額である自己資本額とギアリング比率、自己資本比率と3つも見られることになり配点も非常に多く取られています。特にギアリング比率につきましては、銀行借入可能額が決まることになります。借入金を純資産の部で除して100%以内であれば健全、250%超になると配点は無くなります。
節税をすることも良いのですが、こればかりを意識し過ぎるといつまで経っても内部留保できず借入可能枠も広がりません。まずは、自己資本率60%になるまではしっかりと内部留保していくことが大切です。

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