第161号 女性社員の管理職登用について

■女性管理職登用のメリット


安倍晋三首相が「成長戦略の中核」に位置づけた「女性活躍」ですが、その政策の具体案の是非はともかくとして、日本社会にとって必要不可欠なテーマであることは間違いないでしょう。統計でも、女性活躍と企業の収益性には有意に正の相関性が認められています。
特に、女性管理職の登用には、企業にとってさまざまメリットがあります。
まず1つ目は、マネジメント層に多様性を導入できることです。消費者ニーズの多様化だけではなく、社員のモチベーション源泉も多様化している今日においては、画一的ではなく様々な視点によってマネジメントを行う必要性が高まっています。マネジメント層がいわゆる「男社会」では、多様化する状況に適応できないのです。
2つ目メリットは、若手の女性社員のモチベーションが向上することです。女性が管理職に登用されることで、女性社員にとってのロールモデルができます。ロールモデルの存在は、「私もあの人のようになりたい!」というキャリアアップに対するモチベーションの源泉になります。
3つ目のメリットは、働きやすい職場だと社会に示すことができることです。女性管理職の存在は、「頑張る人が報われる」「福利厚生がしっかりしている」「社員を大切にする」というイメージを与えます。そのことによって、男女を問わず、優秀な人材を採用できる可能性が高まります。

■女性管理職登用のデメリット


反対にデメリットは、「育成が難しい」ということです。圧倒的にロールモデルが少ないので、見本となる女性管理職が見つからず、手探りの育成にならざるを得ない企業がほとんどではないでしょうか。
また、男性管理職の中に女性管理職が一人だけという状況だと、なかなか女性管理職が実力を発揮できないということも起こり得ます。女性が管理職に登用されることが「当たり前」という社風になるまでには、まだまだ時間がかかる企業が多いというのが実感です。
だからと言って、「女性管理職登用はあきらめよう」とはならないでいただきたい。女性管理職の登用には、デメリットを補って余りあるメリットがあります。そもそも、男性と女性で区別することもナンセンスです。意欲と能力がある者には性別や年齢に関係なく、公平にチャンスが与えられる企業経営を目指していただきたいと思います。

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