第170号 第十一回「社会的知性の高いリーダーを目指そう

●「核家族化と心理状態の変化について」 その4


今回は科学の発展と核家族の進行(約60%)による「社会的知性への影響」について考えてみたいと思います。平成25年度の総務省の情報通信機器状況調査によれば、日本での携帯電話の利用人口普及率は全体で82.8%。その他、自宅でのパソコン利用普及率58.4%。スマートフォン利用普及率42.4%となっています。特にスマートフォンの活用は年々増加していますが「歩きながら、自転車で走りながら、運転しながら」などの行動で、ケガや交通事故の一因にもなり問題をかもしています。
科学の発達は確かに私たちの生活レベルを豊かに便利にしてくれますが、反面、人間性における「社会的知性」にデメリットが出ている現状も否めません。倫理感や道徳観も希薄になりつつある社会環境であり、今一度考え直す必要がありそうです。再度申し上げるならば、人も機械も車も飛行機も、あれもこれもコンピュータ技術の発展がなければ、社会の発展も企業の発展も人間自身も生きていけない時代環境になったことは言うまでもありません。
少なくともこの現状をしっかり理解した上で、遅れることなく科学の力を健全に活用しながら人間力としての「社会的知性」を磨いていきたいものです。
さて、人間の心身の成長を考える時、発達心理学や認知心理学、脳科学など、それぞれの分野からの提案がありますが「社会的知性の発達」を考える上では、年代別にいろんな体験的な条件をクリアしなければならないようです。
以下、年代別にその条件を見つめてみたいと思います。

●0歳~9歳のころ 「基本編」:親密性(集団性):自発性(規範性)


躾や教育は「つ」のつくうちに意識づけることが大切だと言われています。純真無垢な子供の「童心」を大切に思う家庭環境とふれあいが大事な時期です。遊びの中でも子供は泣き、ときに叫び、大いに笑います。好奇心が旺盛に引き出され、豊かな想像力を育み、自由意思で前向きに考え、行動力を発揮できるようになってきます。情緒豊かで何事にも興味や関心を持ち、善悪を体験的に理解しながら夢や希望を膨らませていくときです。極自然な環境での子供同士の健全な親密性や自発性を育むことが人格の基本となる大切な要素です。
自分の良い点、悪い点を含めて自分に気づき、ありのままの自分を好きになれる力を身につければ、その後の人生は「自分らしい生き方」になっていくことでしょう。現在では身近な自然環境が少ないなか、保育園や幼稚園がその場であり、保育士や先生などの子供への関わり方が最も重要な時であり、特に家庭内での夫婦のあり方、大人同士の関係が問われるときです。 (つづく)

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