第172号 平常時にこそ非常時の備えをしましょう!!

企業経営においては、よく3つの坂があるといわれます。
一つ目は上り坂・・・この時は企業も成長していて、社員さんもハツラツと仕事に取り組めて、とても良い状況だと思います。
二つ目は下り坂・・・これは外部環境の変化等により売上が低迷し、社員さんのモチベーションも下がり苦しい状況です。
そして、三つ目が「まさか」です・・・平常時に突然大きなアクシデントがおこり、経営が急降下します。ある日突然この「まさか」がおこりますので、予測不可能ですし、下手すると経営自体が立ち行かなくなる恐れが出てきます。
先日、あるコンサル先の社長に悪性の腫瘍が見つかりました。
最初は鼻の横に少し違和感があるといった程度でしたので、少し後で耳鼻科に行かれたのですが、原因がよく分からず、大病院を紹介されて精密検査を受診したところ悪性腫瘍が見つかりました。
小さな腫瘍でしたので、すぐに切除手術をおこない、1週間後には退院されました。ただ、転移していることがわかり、再度入院することになりました。
私は、ちょうど社長が一時退院し、ひさしぶりに出社するという日にコンサルティングで訪問させていただきましたので、当日午前中の時間をフルに使って、社長と二人でミーティングをおこないました。
その時に社長から出てきた言葉がこの「まさか」でした。
まさか自分が癌になるとは思わなかった…。
まさかこういうことになると思っていなかったので後継のこと等何も決めていなかった
まさか自分が病気で長期に会社を離れることになるとは思っていなかったので、売上に大きな影響が出てしまう…。
社長はご自身の体のことをそっちのけで、会社や社員さんや家族のことずっと心配されていました。
ただ、こちらの会社は社内の誰もが認めるナンバー2がいらっしゃいますし、会社の売上が下がっても、固定費を賄えるくらいの大きな太陽光発電設備も保有されています。
「そのような「まさか」の時に備えて、社長自身が無意識に取り組んでこられたものがあるから、まず今はご自身の治療に専念してください」とお伝えしたところ、少し落ち着かれました…。
なかなか平常時に「まさか」の時のために準備をするということは難しいですが、それでも、経営には3つの「坂」があり、その中でも一番やっかいな「まさか」はある日突然あなたの会社にも訪れるかもしれませんので…。
「平常時にこそ非常時の備えをしましょう!」

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