第174号 評価の目的は人材育成であることを認識しよう

評価制度を導入している企業は数多くありますが、上手く運用できている企業は少ないのが現状です。これは、評価の基準が曖昧なことや、評価者である幹部の評価スキルが低いことなどが要因です。
評価基準の項目について、数直線で1~5段階や10段階で点数をつけている企業が多く見受けられますが、これでは、各点数の違いが抽象的で被評価者が納得のいく評価はできません。とかく点数をつけることが目的になってはいないでしょうか。
評価制度は評価項目を習熟させることが目的であり、成果の証を明確にすると共に、それを習熟させるための教育手段を明確にしなければなりません。これをすることにより、必然的に自分の会社でどう頑張ればどのように成長できるのかが明確になるのです。つまり、キャリアプランができ上がります。
例えば、基本行動である、挨拶や身だしなみなどは、自社で基準マニュアルなどを作成し、全員で共有すると共に、「13の徳目」朝礼などを実践し、習慣化させていくことが大切です。
職能については、新人社員などの初級クラスには、マニュアルを作成し、基本をしっかりと教えることが大切です。中級クラスの社員にはもうマニュアルは必要ありません。身に付けた基本を応用していく訓練をしなければなりません。つまり、上司から言われて動くのではなく、セルフマネジメント(自己管理)をして目標を達成していくのです。そのためには、P(プラン:計画)D(ドゥ:行動)C(チェック:進捗管理)A(アクション:修正)と呼ばれるマネジメントサイクルを回せるようにならなければなりません。教育の手段としては、目標管理制度の導入や、OffJTでは、日創研のマネジメント養成研修などを受講し訓練をすることでしょう。
また、自分の強みを発揮し成果を出せる能力(コンピテンシー)を身に付けなければなりません。そのためには、独自のアイデアや工夫を取り入れ成果を出せる力を身に付けなければなりません。
これは、日頃の仕事で、もっと良くするためにはとか、もっと効率よくするためにはなど常に意識して行なうことが大切です。また、インプットしなければアウトプットはできません。できるだけ若いうちから「月刊理念と経営」の社内勉強会などで、設問表に答えることで養うことができるのです。
是非、目的を明確にして教育を充実させていきましょう。

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