第176号 あなたは部下のどの部分を見ていますか?

先月コンサルティング先の企業で、中堅営業社員と今春に入社した新卒社員2名が突然退職するという事態がおきました。
もちろん誰も退職しない会社というのは世の中にはありませんが、我々中小企業において、人材は唯一と言っていいほどの大切な経営資源であり、そのためにどの企業においても、人材採用および人材育成には並ならぬ企業努力を費やしているはずです。
なのに、なぜ大切な社員さんが突然退職してしまうのでしょうか?
実は、毎月こちらの会社にコンサルティング訪問する中で以前から気になっていたことがありました。
それは、この会社の社長様は、事あるごとに社員さんの短所を愚痴るのです。「彼はこういうことができない」「彼女は簡単な仕事なのに、ミスをしてばかり・・」と毎回聞かされ、正直僕も気が滅入ってくるほどでした。
社長としてはおおいに期待して採用した人材なので、その期待に反して、能力不足な点があると気になってしまう気持ちはわからないでもありません。
ただ、よく言われることですが、長所しかない人なんていませんし、同様に短所ばかりの人もいません。
だからこそ、社長や上司の仕事は、部下の良くない面を見て非難したり、愚痴ったりするのではなく、部下の良いところを見つけて、認めて、褒めて、動議づけ、成長してもらうことに尽きると思います。
社員としても、直接叱咤激励を受けるのであればまだしも、社外の人間に自分の短所が愚痴られていることがわかれば、嫌な気分になるでしょうし、わからなくても当然そのような社長の思いが日頃の何気ない態度から伝わるものだと思います。
今回の件では、社長様もショックを受けられ、今後は社員さんの良い部分を見るようにすると約束してくれました。
ただ、退職した社員さんはもう戻ってきません。
中小企業において、人材は「命」だからこそ、社員さんのどこを見るのかがとても大切なのです。
あなたは部下のどこを見ていますか?

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