第183号 飲食業界の現状と財務管理を含めた今後の課題

夏もいよいよ本番に入り暑さ厳しい日々が続き、体調管理が難しい季節になって参りました。皆様健康管理には十分お気をつけください。
さて、今回は、最近飲食業界で経営に苦しんでおられる経営者が非常に多いので、この業界に焦点をあて述べて参ります。
飲食業界は平成9年頃がピークで29兆円の市場規模でしたが、24兆円近くまで落ち込んできています。しかし店舗数はと言いますと、70万店舗とピーク時と変わりません。つまり、外部要因の少子高齢化や共働きなどの影響で、コンビニなどで購入した食品を自宅の電子レンジで温め食べるという「中食」傾向になってきているにも関わらず、飲食店舗が減っておらず、売上が上がらず利益が取れない状況になってきているということです。
こういう状況にも関わらず、「うちの料理は美味しいから」とか「うちのサービスは良いから」とか「うちは価格が安いから」と言い胡坐をかいていると売上は減る一方です。なぜなら、顧客の取り合いになっている現状で、もはやこれらは当たり前であり、来店する決め手にはならないからです。
ここで飲食業界の財務管理についてのポイントについて述べますが、大きく三つのポイントを毎月押さえておくことが大切です。
一つ目は、客数と客単価の管理です。特に客数が減少傾向にある店舗は要注意です。飲食業界のセオリーでもある新規の顧客開拓、そしてリピート、常連客と繋げていく仕組みを構築することです。もっと販促活動を行うことです。とは言っても、ありきたりなチラシを撒いてもほとんどレスポンスはありません。広告宣伝費の無駄です。アイデアを出して顧客が皆さんのお店に行く理由を考えましょう。なぜ数ある同業店舗の中で皆さんの店舗に行きたくなるのかということです。それを広告に盛り込み、実践していくべきだと思います。
二つ目は、粗利率の管理です。料理とドリンクに分け粗利率を算出し、どの料理やドリンクをお勧めしていくのかを明確にすることです。
そして三つ目は人件費の管理です。週末・休日・平日のアルバイトのシフトを適正に組めるかどうかです。
これらのことは特別なことではなく、最低限しておかないと生き残れないごく当たり前のことです。
是非これらのことを毎月実践すると共に、顧客を他店舗に取られない独自の集客に力を入れ、業績を上げて頂きたいと思います。

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