第186号 飲食業界の損益構造について

暑い夏も終わり、いよいよ秋本番になりました。季節の変わり目皆様お体ご自愛下さいね。
さて、前回は飲食業界の現状と今後について述べさせて頂きましたが、今回も引き続き、飲食業界の損益構造について詳しく見て参りましょう。
食欲の秋ですので、これから忘年会のシーズンに向けて稼ぎ時です。業績を上げるために、しっかりと財務改善を行わなければなりません。また、忘年会に向けての新メニューの開発も今から準備しておかないと取り残されますので、食材の確保に動いていきましょう。
さて、飲食業界の損益構造はおよそ次のようになります。
売上高を100として、原価(材料費)30%、人件費30%、家賃10%、その他経費20%以内に抑えることです。一番大切なのが経常利益の確保ですので10%は残すことが前提です。
業界で使われるF/Lコストとは、上記の材料費(フード)と人件費(レイバー)のことをいいます。つまりF/Lコストは60%以内に抑えることが大切です。高級レストランとファーストフードなどでは人件費比率が変わりますので、一概にFとLが30%とは言えませんが、合わせて60%以内に管理していくことが大切です。
粗利益を高めていくためには、メニューごとの売上高のABC分析と粗利益のABC分析を行い、マトリックスで検討すると有効です。
特に売上がAランクで粗利益がCランクの組み合わせや、その逆の場合、手を打つ必要があります。前者はお客様には人気があるのですが、自社の粗利益が取れていないわけですから、原材料の仕入れの見直しや、レシピの改善などが必要になります。後者は自社の粗利益は取れるのですが、お客様の注文に結びついていないので、ポップを含めた販売促進を強化しなければなりません。また、売上も粗利益もCランクのものは、意味のあるもの以外は捨てることです。お子様ランチなどはこの領域に入りますが、無くすと家族連れを失うことになりますので捨てるわけにはいきません。
家賃はRコスト(レンタル)と言いますが、10%以内に管理することです。最近は家賃が高く、このRコストが負担大となり閉店する所も増えてきています。家賃に見合った売上高を上げることが大切です。
FLRコストを70%以下に抑えられれば経常利益10%近く残ると思いますので、是非頑張って下さい。

お問い合わせ

ご相談はお気軽にご連絡ください。 メールは24時間365日受付しております。