第199号 人材育成の心理的ポイントについて

今年も4月から始まった我が社の「新入社員6ケ月フォロー:人間関係研修」が9月いっぱいで終了しました。大阪・東京・名古屋・福岡・札幌の各センターでの開催でした。同じ内容での研修でしたが、それぞれ参加される方々の取組み姿勢や態度に少しずつ地域性の違いがあり、あらためて人間が風土や環境に影響を受けることを実感しました。幼少期の家庭環境における両親の関わり方についても再考させられるものがあり、同じ家庭に育っても、長子の場合・中間子の場合・末っ子の立場で育つ場合の違いは、大きくなった時の考え方や行動の仕方・生き方について少しずつ違いが出ます。長年心理学を勉強してきましたが、時代の違いと人間の心理状態の違いを感じるあらたな体験と気づきでした。
私の幼少期には予測もしなかった化学の進歩と文化、文明の発展は今や小学校教育の現場からパソコンやスマホなどの学びや関わりもあり、物事に対する価値観も大きく変化しています。そのような中で育ち社会人となった若者の考え方は、とても知的で以前とは比べようもありません。それは良くも悪くも社会に反映しており、人材育成の職場環境にも大きな影響があるようです。特に新卒の新入社員さんの心理状態や心の構え・物事の判断のモノサシとなる価値観は、以前に比べて機械的に割り切って考える傾向にあり、人間関係の有り方にも共感性が低い方が多く、金銭的にも豊かな状況にあるためか、目的や目標に対する意識も低く、自分のことを人任せにして生活している方が多いように感じます。
ある社長様より、2名の社員さんが4月入社で3ケ月後には退社、もう1名も新入社員研修後に退職され、今後の人材育成の対策や関わり方についてご相談がありました。原因も理由も不明確なままに簡単に離職願いが出るというのですが、そこには昔ながらの義理・人情などは何の役にも立ちません。
では、どのように対処すればよいのでしょうか。
私の主催する心理学「コミュニケーションとリーダーシップを学ぶTA研修」では、社員さんが自分の価値観や生き方の習慣についてどのような考え方をもっているのか、「自分の持つ性格(自我状態)はどのようなバランスを持ち、他人にどのような影響を与える傾向があるのか」、また「他人から受ける影響は自分の人生にどのように反映していくのか」、など「自己意識」の持ち方を早くから徹底的に学び、自分の物事を行う理由や、社会や職場の意味をいち早く知ることだとお伝えしています。
また、社内に人材育成担当者を置き、先輩社員とのパートナー制度による相補的関係を構築し、信頼関係を強化していくことなども重要です。
日本創造教育研究所には「可能思考研修SA・SC・PSV」があります。自分の心理状態と人生を関連付けて考える重要な研修であり、何事も「あって当たり前」の現在の自己中心的な価値観を見直し、どんなに時代が変わっても「努力精進する」こと、「自己を磨き続ける事」の大切さを身体で覚えさせることを大切にしています。

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