第202号「3つの視る目を強化しよう!」

21世紀は「情報と知識が基盤になる社会」と言われます。18世紀のイギリスやフランスを代表とする第一次産業革命の機械化は、主に水力をエネルギーとして活用した蒸気機関を主体に発展した時代だったようです。
軍需産業もこの頃から飛躍的に成長しているようですが、日本では1865年ごろ江戸慶応年間に王政復古の呼び声が高まり戊辰戦争が起こりその後明治に入ります。多様な産業に目を向けて日本が世界の仲間入りをしたときでもあり、電気・石油など鉱工業生産が発展の基盤となりました。
1903年アメリカのライト兄弟の初飛行があり、1914年からはじまる第一次世界大戦には飛行機が登場します。電気設備や動力が革新された第二次産業革命の時代を迎え、鉄鋼、石炭、電気、軍需、精密機械、化学、非鉄産業、自動車産業、など重工業が発展を遂げ、1939年には第二次世界大戦が起こります。終戦後1950年代からは生活必需品としての日用品、雑貨などの軽工業製品の発展を迎えます。
原子力エネルギーを活用する技術の発達による現代を第三次産業革命と呼ぶそうですが、1995年度はパソコン元年とも呼ばれ、より急速にコンピュータの普及による発展があり、オートメーションシステムを使った産業が発展しました。現在ではインターネット通信が発達し、パソコン・スマホ・タブレットなど、あらゆる電子機器の発達で情報媒体が生活の一部として手元にあり、家電、家具、インテリア、アウトドア、文具、書籍など、電話一本、メールひとつで、翌日には思ったものが何でも手に入るなど、物流産業の発達で生活水準が格段に向上しています。
現在ではIoTの発達による工場の機械稼働、交通情報、気象情報、個人の健康状態まで情報が解析、データ化され活用されていく時代です。更に人口知能AIでは、人間が詳しく情報を与えなくとも、基本があればコンピュータが自ら学習し、発達しながら一定の判断を行うことが可能になってきました。
浅学な私にはほとんど理解しがたいシステムが活用される時代、第4次産業革命の時代といわれます。正にあらゆるビジネスがインターネットを通して発展していくということですが、このような時どんな手を打てば変化、革新、イノベーションができるのか、経営者、幹部の皆さんの手腕が問われますね。
ビジネスに競争はつきものです。何が何でも効果性と効率性をつくり出して行かねばなりません。しかし、その実力を養うには並大抵の努力では競争に打ち勝つことはできない厳しい世界です。今後の職場をどのように革新、発展させていくのか、重ねて、問われるのがトップリーダーの経営手腕です。
以上の観点に立ちいろいろと前提条件を並べてきましたが、今回は心理学的観点による、ささやかなご提案です。できれば意識に乗せて頂ければ幸いです。
まず、マーケティング活動上で、仕事とはどのような事なのかを考えてみますと、端的に「自社の価値を創造し顧客の問題を解決すること」と言えますが、そこにはお客様側の厳しいニーズがあり、引き受けた場合お客様が満足、感動する結果を創ることが条件です。そこには、幾つかの要素をクリアしなければなりませんが、①必要なことは何か、②重要なことは何か、③適合性は ④整合性は ⑤効果性 ⑥効率性等など、多面的に必要条件があることを理解した上で具体的な手を打ち、確かな結果で提供することが求められることでしょう。
第一の視る目は「視点」です。どこを、どのように解決していくか、あなたの目が注がれるところを視点といいます。視点は状況によりあれこれと相手の意図に応じて鋭く変化させ、多面的に目的達成に対する的確さ、そのポイントを掴みとることが求められ、立場上の「問題意識」がとても試されます。
第二の視る目は「視野」です。視点を絞り込むには幅広い選択、選別、判断する際の多様な情報力が重要になり、経験力を豊富に持ち、取捨選択の際の多面的視点の集合体としての、視野の広さが必要不可欠です。
第三の視る目は「視座」です。依頼された相手の立場に立って、何が、どのようなことが期待されているのかを緻密に聞き取り、考え、細やかな配慮を怠ることなく、期待通りの結果を提供できるかが問われます。どんなときにも冷静に、且つ相手の気持ちに寄り添って、お客様の目線の位置から認識する経験と、度量と、対応力が試されます。
では、この3つの視る目はどのようにして強化していけばよいのでしょうか。そのキーワードが目標達成に対する改善、改革のコミュニケーション、つまり、上司と部下の緻密な、頻度の高い「対話」つまりコミュニケーションなのです。
その意志の疎通の仕方を「報告・連絡・相談」と言っています。コミュニケーションは学べば学ぶほど、その奥の深さを感じます。価値観の相違があるお互いの「3つの視る目」が常に試されています。
今回はめまぐるしく変化を遂げていく時代において、企業発展にどのような対策が必要な事かをお考え頂くコメントを差し上げました。
日本創造教育研究所ではこのような時代にどのような学びが必要なのかを前提として研修の開発に取り組んでいます。「無知は人生に壁をつくる」ことになりかねません。決して遅れを取ることがないよう、多面的に学ばれて下さい。

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