第204号「金融機関の格付けを上げる重要ポイント」

今年はこれからサッカーW杯が始まり、世界的に活気の満ち溢れる季節になりましたね。さて、金融機関はマイナス金利の影響を受け、貸出金の利息だけでは収益を得られなくなってきており、金融商品やM&Aなどの斡旋に力を入れるようになってきています。とは言え、多くの中小企業にとっては金融機関の融資に頼らなければならないのも現実です。今回は、金融機関の格付けを上げ、信用を高め、良好な取引を行えるようにするための重要ポイントについて述べさせて頂きます。
まずは、損益計算書ですが、会社全体の経常利益を高めることは大切ですが、それ以上に営業利益を高めることが重要になります。営業利益の下の営業外収益や営業外費用は、金融機関から提供を受けている受取利息や支払利息ですから、真の会社の実力は営業利益で示さなければなりません。
金融機関はキャッシュフローの計算を営業利益で行う為、いくら経常利益をプラスにしても格付けの向上は多く見込めません。債務償還年数についても、借入金を営業利益+減価償却費で除して何年で返済できる能力があるかを見られますし、金利の負担能力を見るインタレストカバレッジレシオについても、営業利益に営業外収益を加えたものを支払利息で除して求めます。これらは、格付けの配点も非常に多い為、営業利益の重要性も自ずとお分かり頂けると思います。
次に貸借対照表ですが、ここで需要なポイントは純資産の部になります。自己資本とも呼ばれる部分で、資本金や利益剰余金で構成されます。増資をするか、内部留保をしっかりすることが大切になります。
純資産の部に係る格付けはそのものの実額である自己資本額とギアリング比率、自己資本比率と3つも見られることになり配点も非常に多く取られています。特にギアリング比率につきましては、銀行借入可能額が決まることになります。借入金を純資産の部で除して100%以内であれば健全、250%超になると配点は無くなります。
節税をすることも良いのですが、こればかりを意識し過ぎると、いつまで経っても内部留保できず、借入可能枠も広がりません。まずは、自己資本率60%になるまではしっかりと内部留保していくことが大切です。

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