第205号「自己制御パターンの強化」自己洞察力強化の重要性

自己制御とは「自分の思考や行動が、無意識の感覚や感情に扇動されないように、現実の環境や状況に合わせて、意識的に目的に応じて適切に行動し、確かな目標を達成していくことができるよう自己を調節すること」と言えます。現実の状況を的確に捉え、適切に対応することは簡単なようでなかなか難しいものです。私たちの持つ意識には「潜在意識と顕在意識」に分けられます。今ココ、現実において意思決定するのは顕在意識の力によりますが、つくり出す結果に影響を及ぼしているのは実は潜在意識によるところが大きいと言われています。
氷山に例えた潜在意識と顕在意識の割合は、約90%あまりがこれまでの体験の積み重ねである潜在意識によって意思決定されるもので、よほどの体験、経験による裏打ちがなければ、その場に相応しい正しい行動が出来にくいのです。
更に詳しくお伝えするならば、潜在意識の中に、幼少期の自動反応的に意思決定を下した誤った行動パターンの強化が原因とも言えます。つまり、幼少期の生体反応を起こす感覚機能に第一要因があります。これは大脳の内側にある間脳と呼ばれる位置にある視床の下部にある「快感・不快感」を即座に感知する扁桃体と言われる器官の働きです。ほとんどの身体行動は、この扁桃体と、そのすぐそばにある海馬という器官との連携にあり、その記憶が海馬傍回を通して、大脳の一番深いところに存在する「大脳辺縁系」に繰り返し記憶され、その意識が強化されて、喜怒哀楽の感情(情動)回路をつくり、そのことが認識回路に影響を与え、その後の思考回路に影響を与えます。これらの記憶は同時進行的に小脳に記憶されていき、やがて身体運動を無意識に操る回路を形成します。これが連結され、やがて、超知性と呼ばれる前頭葉の左脳の自我構造の中に反映され、意志実行系と言われる行動の反応体制をつくり出すのです。
皆さんは行動を起こす前に「ああしたほうがいい・・こうしたほうがいい・・こうしよう・・こうしてみよう・・それがいい・・それはやめたほうがいい・・などなどと、頭の中で呟いている自分の意識に気づかれたことはありませんか? これらを心理学では「認知スキーマとかマインドトークとか」呼ばれています。つまり、あなたは無意識の自動反応的な言語の回路が働いて、思考しているのです。これらを「自動思考」と呼び、なかなか理性のコントロール機能が働かないことがあるのです。
故に私たちの行動や結果を「変えることは難しい」のです。無意識に感じ、認識し、そうなのだと思い込み、それに対処する思考が働き、意志決定、行動する制御パターンを持っているのです。それも、大半が反自動的に行われるプロセスであり、よほどトレーニングしなければ思うような正しい反応が起こせません。
日本創造教育研究所の可能思考研修は、その自己制御パターンに気づくことから始まります。
次回に詳しいメカニズムをお伝えしてまいりましょう。

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